医学と生物学 (Medicine and Biology)
https://medbiol.sabsnpo.org/EJ3/index.php/MedBiol
<p><strong>「医学と生物学」は、2018年、オンライン版の電子ジャーナルで復刊しました。</strong></p> <p align="left">「医学と生物学」は昭和17年(1942)に創刊され、医学およびそれに関連する領域の原著論文、短報、総説などの掲載誌として財団法人緒方医学化学研究所の支援のもと、医学生物学速報会から刊行されていました。残念ながら、同法人の解散に伴い平成25年(2013)に157巻をもって休刊となっていました。</p> <p align="left">この度、特定非営利活動法人バイオテクノロジー標準化支援協会(SABS)が、医学生物学速報会から「医学と生物学」を引き継ぎ、新たにオンラインジャーナルとして発行することになりました。</p>
バイオテクノロジー標準化支援協会
ja-JP
医学と生物学 (Medicine and Biology)
0019-1604
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頸部角度の違いが若年健常者の舌圧及び舌口唇運動機能に与える影響
https://medbiol.sabsnpo.org/EJ3/index.php/MedBiol/article/view/552
<p> 本研究では、若年健常者において、頸部角度の変化により舌圧および舌口唇運動機能がどの程度変化するかを明らかにすることとした。</p> <p> 対象者は健常者20名(平均年齢20.3±0.7歳)で、リクライニング座位45°の状態で、頸部屈曲30度、中間位(屈曲伸展0度)、伸展30度の3条件を設定した。それぞれの姿勢で、舌圧およびオーラルディアドコキネシスを測定した。</p> <p> その結果、最大舌圧の平均は、全体および男性・女性ともに頸部軽度30度で最も高値を示した。また、男性の舌圧において、頸部屈曲30度と伸展30度との間で有意差がみられた。オーラルディアドコキネシスの平均は、全体および男性・女性ともに頸部中間位で最も高値を示した。なお、各条件間で有意差は認められなかった。また、舌圧とオーラルディアドコキネシス共に性別による有意差も認められなかった。</p> <p> 今回の結果より、若年健常者では一時的な頸部角度の変化によって舌圧および舌口唇運動機能への影響はほとんどみられないことが分かった。ただし、異常姿勢は徐々に構築されていくものであり、慢性的な姿勢の影響も考える必要がある。今後は中高齢者でのデータを蓄積し、異常姿勢との関連について検討を重ねたいと考える。</p>
瀬高 裕佳子
綿貫 佑
本村 美和
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2025-02-07
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精神科特化型訪問看護ステーションの管理者を対象とする熟練男性看護師のアイデンティティ形成要因
https://medbiol.sabsnpo.org/EJ3/index.php/MedBiol/article/view/575
<p> 本研究の目的は、熟練男性看護師が精神科特化型訪問看護ステーションを自ら立ち上げるまでの看護師としてのアイデンティティ形成を促す要因を明らかにすることである。対象者は、九州地方、関東地方、北陸地方、信越地方、東北地方で精神科特化型訪問看護ステーションを立ち上げた男性看護師の管理者 11名とした。インタビューガイドを用いて半構成的面接を行い、帰納的内容分析を加えた。対象者の語り内容を一文章が一意味を示すようにコード化した。コード化した内容を類似するものと相違するものに分類し、意味内容の類似性に従いサブカテゴリを作成し、次に同様の手続きでカテゴリを作成した。さらに、意味内容の類似性に従い抽象度の高いコアカテゴリを作成した。看護師としてのアイデンティティの形成を促す要因は、【看護師の魅力発見】、【病院組織での看護の限界】、【女性看護師と信頼関係を築く】であった。</p> <p> 本研究から、女性が多い職場であるため女性看護師との人間関係形成は重要である。看護師としての誇りを持つことがアイデンティティ形成には重要であることが示唆された。</p>
藤川 君江
緒方 浩志
林 真紀
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2025-02-07
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認知機能の変化を目的とした認知症患者への人工知能を用いたコミュニケーション・ケアとその効果に関する文献検討
https://medbiol.sabsnpo.org/EJ3/index.php/MedBiol/article/view/568
<p> 本研究では、認知症患者に対する人工知能を用いたコミュニケーション・ケアと認知機能に対する効果を明らかにするために、それらに関する文献を質的帰納的に分析した。対象文献は、医学中央雑誌WEB版にて、原著論文を対象に[認知症+コミュニケーション+人工知能]と検索し、抽出された18編の内、認知症患者に対する人工知能を用いたケアについて示されている12編とした。文献の論旨から逸脱しないようにスーパーバイザーと共に分析した。その結果、人工知能を用いたコミュニケーション・ケアに関する記述は74コード、そのケアが認知症患者の認知機能に与える効果に関する記述は93コードが抽出された。それらのコードを人工知能が搭載されているハードウェアの型ごとにカテゴリー化した。ぬいぐるみ・ペット型ロボットを用いたケアは、【身体的な触れ合い】など、3つ、効果は【ADLの維持・改善】など、7つのカテゴリーが抽出された。二足歩行・人型ロボットを用いたケアは、【生活動作への関わり】など、5つ、効果は【主体的コミュニケーション能力の維持・改善】など、7つのカテゴリーが抽出された。また両方のロボット型を用いたケアは、【非言語的コミュニケーション】など、5つ、効果は【表出感情の多様化】など、4つのカテゴリーが抽出された。これらから、人工知能のケアは、認知症患者の精神面や身体活動能力、認知機能を改善することが示唆された。</p>
片山 彩萌
松浦 純平
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2025-02-07
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外来看護師の在宅療養支援におけるコンピテンシーの検討
https://medbiol.sabsnpo.org/EJ3/index.php/MedBiol/article/view/572
<p><strong>目的:</strong>在宅療養支援における外来看護師のコンピテンシーを明らかにすることである。<br><strong>方法:</strong>質的記述的研究デザインとし,特定機能病院の外来看護師9名を対象に半構成的面接を行った。<br><strong>結果:</strong>外来看護師の在宅療養支援におけるコンピテンシーに関する面接内容を分析した結果,306コード,57サブカテゴリ,11カテゴリ,4コアカテゴリ【実践力の練磨による系統だった実践】,【患者理解に基づいた療養生活上の目標の志向】,【多職種協働による支援の促進】,【資源の有効活用による療養生活上の助力】が抽出された。<br><strong>結論:</strong>今回抽出された在宅療養支援のコンピテンシーによって,外来における在宅療養支援が推進されることが期待される。</p>
山幡 朗子
巽 あさみ
深谷 由美
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2025-02-07
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看護学生の臨地実習中における速乾性手指消毒薬に関する実態調査
https://medbiol.sabsnpo.org/EJ3/index.php/MedBiol/article/view/578
<p> A大学看護学生の臨地実習中の速乾性手指消毒薬の携帯に関する認識や手指消毒のタイミング、使用状況に関する実態を明らかにし、使用量を学年別に調査した。</p> <p> 対象は1年生125名、2年生121名、3年生118名、4年生118名の学生とした。</p> <p> 結果として速乾性手指消毒薬の携帯は、手指衛生を強く意識する「きっかけ」になったと答えた学生は平均99.4%であった。「きっかけ」にならないと答えた学生はいなかった。実習中の手指消毒場面の「汚物の後片付け」以外では、ケア「前+後」における手指消毒を53.8~76.9%の学生が実施したと回答した。一方、ケア「中」のみ実施した学生はみられなかったが、「後」のみ実施した学生は5.1~28.2%であった。また、手指消毒薬の対象学生の1日当たりの平均使用量は8.8ml/日であり、最小値は0.2ml/日、最大値は30.4ml/日であった。</p> <p> 速乾性手指消毒薬の携帯は接触感染予防に繋がり手指衛生の役割や価値を自ら問い直すきっかけとなり、有効と考える。また、実習中の手指消毒場面における手指衛生の更なる実施向上に繋がるように各学年において学生同士が互いにロールモデルとして手指衛生の知識や技術の提供者となり得るように教員や指導者は学生に関わることが重要であると考える。</p>
武井 泰
日吉 恭則
近藤 ふさえ
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2025-02-07
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