医学と生物学 (Medicine and Biology) https://medbiol.sabsnpo.org/EJ3/index.php/MedBiol <p><strong>「医学と生物学」は、2018年、オンライン版の電子ジャーナルで復刊しました。</strong></p> <p align="left">「医学と生物学」は昭和17年(1942)に創刊され、医学およびそれに関連する領域の原著論文、短報、総説などの掲載誌として財団法人緒方医学化学研究所の支援のもと、医学生物学速報会から刊行されていました。残念ながら、同法人の解散に伴い平成25年(2013)に157巻をもって休刊となっていました。</p> <p align="left">この度、特定非営利活動法人バイオテクノロジー標準化支援協会(SABS)が、医学生物学速報会から「医学と生物学」を引き継ぎ、新たにオンラインジャーナルとして発行することになりました。</p> バイオテクノロジー標準化支援協会 ja-JP 医学と生物学 (Medicine and Biology) 0019-1604 がん指導薬剤師またはがん専門薬剤師の意識調査に基づいた再生医療等製品の薬学教育で扱うべき情報に関する研究 https://medbiol.sabsnpo.org/EJ3/index.php/MedBiol/article/view/538 <p>&nbsp;</p> <p> 本研究は薬学教育で注力すべき再生医療等製品の領域をアンケート調査結果から考察し、提言にまとめた。</p> <p> アンケート調査の調査対象者はFaculty of Pharmaceutical Sciences Doctoral Course of Tokyo University of Pharmacy and Life Sciencesに所属する学生 (FPS-DC-TUPLS students)とJapanese Society of Pharmaceutical Health Care and Sciences (JSPHCS)の認定資格を保有する日本医療薬学会がん指導薬剤師(BCSOP)または日本医療薬学会がん専門薬剤師(BCOP)とした。また、具体例として、再生医療等製品であるKymriah®の添付文書を用い、添付文書に記載された情報の重要度評価を実施した。重要度評価は5段階で回答する形式とした。両者の情報を評価する視点の違いについてギャップを分析し、薬学教育を充実させるための提言を作成した。  BCSOP and/or BCOPとFPS-DC-TUPLS studentsの重要度評価の中央値を比較したところ、Kymriah®の副作用情報のなかには、BCSOP and/or BCOPがscore 5と回答した割合がFPS-DC-TUPLS studentsより有意に高いものがあった。さらに、副作用情報のなかには、病院薬剤師歴11年以上~20年以下の中堅BCSOP and/or BCOPがscore 5と回答した割合がFPS-DC-TUPLS studentsより有意に高くなるものがあった。</p> <p> FPS-DC-TUPLS studentsは副作用情報の重要性を過小評価していることが示唆された。臨床研修の機会などを活用し、副作用に関する情報を薬学生に十分に説明することが再生医療等製品の薬学教育として推奨される。</p> <p>&nbsp;</p> Keisuke Saso Chiyomi Okamoto Naoki Yoshikawa Yuichiro Kurone Naoto Hirata Sadahiko Shimoeda ##submission.copyrightStatement## 2024-06-01 2024-06-01 164 2 i2_Oe01 i2_Oe01 成人看護学実習における学生の捉えた受持ち患者との心理的距離の変化と影響要因 https://medbiol.sabsnpo.org/EJ3/index.php/MedBiol/article/view/506 <p>成人慢性期看護学実習(3週間)を履修した看護系大学3年次生10名を対象に、患者との心理的距離感と影響を及ぼす要因を明らかにする目的でインタビュー調査を行った。</p> <p>その結果、学生に患者との心理的距離感を0~100cmで示してもらった心理的距離感は、実習経過と共に近づいていた。しかし、一部の学生では、患者の状態変化、実習途中での患者変更、実習生としてとるべき行動の戸惑いによって、数値は一旦離れたが、実習が進むと再び近づいていた。</p> <p> 学生の語りを質的記述的に分析した結果、学生の心理的距離感に影響を及ぼす要因は、実習開始時では【実習への心理的障壁】【やっていけそうという思い】、実習1週~2週目では【よい援助関係構築のための努力】【患者との関わりへの葛藤】、実習3週目では【新たな関係性の構築】であった。看護教員はこれら影響要因をふまえた実習指導が必要である。</p> 堤 かおり 河村 圭子 那須 さとみ ##submission.copyrightStatement## 2024-06-01 2024-06-01 164 2 i2_Oj01 i2_Oj01 大学生に対する非連続性精神性発汗量測定値を用いた不安評価の有効性の検討 https://medbiol.sabsnpo.org/EJ3/index.php/MedBiol/article/view/543 <p>背景:侵襲度の高い検査を受ける患者は不安を感じる。不安を感じる患者への看護は、患者の精神状態や不安の程度を観察し、評価することが重要と考えられるが、看護介入による不安軽減の効果に関する研究報告は少ない。要因の1つとして不安を客観的評価する指標がないためであると考える。本研究は、非連続性発汗量測定が不安評価に有効であるかを明らかにすることを目的とて実施した。</p> <p>方法:大学生11名に対し、アンケートによる不安評価及び精神的負荷(スピーチと暗算)を実施した。精神的負荷前後に唾液アミラーゼ活性値(以下:sAMY)と精神性発汗量を測定し、測定値の比較・検証をした。</p> <p>結果:対象11名のアンケートによる不安評価では、精神的負荷実施前の不安の状態に差はなかった。全対象の精神的負荷前後のsAMYと精神性発汗量の測定値の変化に正の相関が認められた。各対象の測定値の変化では、正の相関を認めた対象もいたが、発汗量の変化が少なかったり、sAMYと発汗量の変化す相関がない対象がいた。</p> <p>結論:精神性発汗量測定は正確性の示されているsAMYと精神性発汗量に相関が認められたことから不安評価に有効であり、不安評価として使用できる可能性が示唆された。</p> 近藤 彰 伊藤 千晴 ##submission.copyrightStatement## 2024-06-02 2024-06-02 164 2 i2_Oj02 i2_Oj02 無痛分娩実施施設の助産師による非薬物的産痛緩和ケアの実態 https://medbiol.sabsnpo.org/EJ3/index.php/MedBiol/article/view/545 <p><strong>【目的】</strong>無痛分娩実施施設に勤務する助産師による非薬物的産痛緩和ケアの実態について明らかにする。</p> <p><strong>【方法】</strong>厚生労働省が公表している無痛分娩実施施設に勤務し, 分娩期の女性に対し非薬物的産痛緩和ケアを実践している助産師230名を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。</p> <p><strong>【結果】</strong>対象者は80名(有効回答率97.6%)であり, 助産師は多様な非薬物的産痛緩和ケアを高い頻度で実践していた。92.4%の助産師が非薬物的産痛緩和ケアと無痛分娩時ケアを併用しており, 特に精神的援助では97.5%の助産師が併用の必要性を感じていた。また, 非薬物的産痛緩和ケアの実践における困難感として, ケアの提供時間の不足や, 知識・技術の不足が挙げられた。</p> <p><strong>【結論】</strong>非薬物的産痛緩和ケアのうち, 特に精神的援助は, 多くの助産師が重要視しており, 女性がより不安を感じやすく, 選択する女性の傾向として不安が強いことからも, 無痛分娩時には積極的に実践されるべきでケアであることが示唆された。また, 困難感より, 助産師のケア実践のための時間を確保すること, 無痛分娩との併用に関するエビデンス, 具体的な実践方法について学習することの重要性が示唆された。</p> 大谷 紗良 篠原 枝里子 竹内 翔子 中村 幸代 ##submission.copyrightStatement## 2024-06-02 2024-06-02 164 2 i2_Oj03 i2_Oj03 病院に勤務する看護師の不眠の実態と関連する要因の検討 https://medbiol.sabsnpo.org/EJ3/index.php/MedBiol/article/view/544 <p><strong>背景</strong>:不眠を訴える労働者は有病率が高いといわれる中、不規則な勤務とストレスが大きいといわれる看護師の睡眠に対する現状は深刻である。本研究では、病院に勤務する看護師の不眠に対する実態を明らかにし、その対処策を考える基礎資料を得ることを目的とする。</p> <p><strong>方法</strong>:2020年8月にA県内の病院に勤務する看護師373名を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。調査内容はアテネ不眠尺度(以下、AIS)とした。</p> <p><strong>結果</strong>:307名を分析対象とした(回収率89.0%、有効回答率82.3%)。属性とAIS総合点との関連では、看護(介護)の有無、勤務形態、睡眠時間との間に有意差が認められた。AISの8項目との関連では、看護(介護)の有無と「日中の活動」、勤務形態では、「入眠潜時」「総睡眠時間」「睡眠の質」「日中の気分」「日中の活動」、睡眠時間では、「入眠潜時」中途覚醒」「総睡眠時間」「睡眠の質」「日中の気分」「日中の活動」との間に有意差が認められた。</p> <p><strong>結論</strong>:2交代と3交代の混合は、不眠症の可能性が最も高く、3交代は入眠までに時間を要した。不眠で看護(介護)ありの方が「日中の活動」は低下していた。</p> 長砂 順子 伊藤 千晴 ##submission.copyrightStatement## 2024-06-02 2024-06-02 164 2 i2_Oj04 i2_Oj04 足浴の水深が足背皮膚温と心理的指標に及ぼす影響 https://medbiol.sabsnpo.org/EJ3/index.php/MedBiol/article/view/537 <p>本研究は、足浴における足背皮膚温と温度感覚、快適感、不安について水深別にクロスオーバーデザインで比較することを目的とした。</p> <p>被験者は椅子に座り10分間の足浴を受けた。足浴の湯は40℃を保持し、8cmと15cmの高さで湯を満たした。足背皮膚温、温度感覚・快適感、State-Trait Anxiety Inventory (STAI) を足浴前、足浴中、足浴直後、足浴10分後に測定した。</p> <p>被験者は22名(男女比:5/17、年齢:21±3歳)であった。いずれの水深条件においても被験者は、足浴中および足浴直後に身体が温かく快適であったことを報告し、足浴10分後でも足背皮膚温は高く保持され、不安が軽減されたことが示唆された。気持ちよい温かさによるリラックス効果は、足浴が副交感神経を優位にしたためであると考えられる。</p> <p>水深15cmの足浴は水深8cmの足浴と比較して、足浴前よりも足浴中に有意に身体が温まったと感じ、足浴直後から足浴10分後にかけて温かさの知覚は有意に低下したにもかかわらず足浴10分後まで快適感が持続した。水深15cmの足浴は、より広い皮膚面積を温水に浸漬することができるため、足浴中や足浴後の快適感において効果的であることが示唆された。</p> 木村 春香 細川 諄 加藤 京里 ##submission.copyrightStatement## 2024-06-02 2024-06-02 164 2 i2_Oj05 i2_Oj05